【面白い?】詩季織々の見ての感想。秒速5センチメートルに感銘を受けての作品

つい先日、Netflixにてアニメ映画『詩季織々』が配信開始され、見終えたので感想を書いていきたいと思う。

詩季織々

本作品は、3つの物語から構成されているアニメ映画になっている。これを聞くと、秒速5センチメートルを思い出す人もいると思うが、話の直接的つながりもなく干渉することがない。

秒速5センチメートルに感銘を受けた「リ・ハオリン監督」によって企画された映画であり、アニメ制作は、「君の名は」で注目を浴びたコミックス・ウェーブ・フィルムが手がけている。内容はともかく作画に関しては美しくきれいなので、それだけも見る価値は充分あるのでおすすめだ。

まず、この作品を語る上で重要なテーマがある。それは、「衣食住行」だ。我々の生活に欠かせない、洋服、食べ物、住むための家に加えて行動。日本では衣食住と言われているが中国では衣食住に「行」が加わってこうなるらしい。

この重要なテーマを見据えた上で、この感想を見ていくと、新たな発見があったり、再び詩季織々を見る際にでも、このテーマを意識してみるとより理解しやすいだろう。

陽だまりの朝食

監督:イシャオシン

陽だまりの朝食は、衣食住行のうちの「食」をテーマとして、主人公の成長を描いた物語になっている。

基本的には、過去の出来事に対してそのときの気持ちや感じたことを未来の自分が語り手となって物語が進行してく。そのため、セリフ自体は少ないがそれを補うように「表現」が際立っていると感じた。だが、表現を汲み取るには難しいところがあったので、理解の仕方が違うかもしれないが、私が感じ取ったことを書いていこうと思う。

「食」というのは、私達の生活の中で身近なものの一つだ。本作では、その「食」を通して幸せだった時間や大切な思い出を思い返すのだが、私の「食」に当てはめてみると理解しやすかった。

生まれてから中学生の頃までは、家族全員で食卓を囲み、他人から見れば意味のないつまらない会話をしていたが、私からすれば良い思い出だ。小中学校のときの給食では、余ったハンバーグを友人と取り合いしたり、牛乳を飲まない人から集めまくっていた。今になって思い返してみれば、それは大事な思い出でであり、なんとなく安心する。人によっては、別れもあるし恋を経験した人もいるだろう。

そんな、「食」を通しての人生を描いている作品になっている。当たり前だが、これからも生きていくために「食」に関わることになる。終盤におばあちゃんは亡くなってしまうが、落ち込んでいる主人公を前向きにさせてくれるきっかけになったのはビーフンだった。このように、「食」というのは過去の出来事を思い出させるだけではなく、自らを元気にさせてくれたり、前向きにさせてくれるというメッセージが込められていたと思う。

余談だが、この「陽だまりの朝食」を夜に見ることをおすすめしない。なぜかというと思いっきり「飯テロ」だからだ。「君の名は」でも猛威をふるったアニメ制作会社コミックス・ウェーブ・フィルムの表現方法は、とても美しくきれいだ。そんなアニメ制作会社が、全力でビーフンを描いたら……それはきついですわ。とりあえず、夜に見ることはおすすめしない。

小さなファッションショー

監督:竹内良貴

小さなファッションショーは衣食住行のうちの「衣」をテーマとしている物語だ。そこに、姉妹の絆を織り交ぜて展開していく。

この物語については、正直微妙だと思った。というのも、30分もない限られた時間の中で、物語を語るのは少し足りないからだ。内容としては、うまく作られていたと思うが、あと一歩というところだろう。

モデルとして活躍する姉、洋服をデザインをする妹の姉妹。姉は責任感が強く、とにかく妹が大好きなことが作中でも感じられる。妹の方は、引き取ってくれた姉に感謝していて、尊敬もしている。

そんな姉妹の中で、お互いを助け合いこの物語のテーマでもある「衣」を中心として語られている。妹にかっこ悪いところは見せたくない姉が、頑張りすぎて体力の限界を超えてしまい倒れてしまったり、失敗することに恐怖を抱き逃げようとしたり。

この物語には、もう一つテーマがあると思う。それは作中にも何度も出てきた「あなたには何が見えますか?」という言葉だ。序盤から中盤、終盤でこの問に関する答えるセリフがある。序盤では、最初は喜びに溢れていたモデルという職業だが、日常化してしまったときの気持ち。中盤では、洋服をデザインすることを夢にみる妹の前向きな答え。終盤では、この物語の答えともいうべきものが現れていた。

上海恋

監督:リ・ハオリン

上海恋は、衣食住行のうちの「住」をテーマとしている物語だ。ある男性の過去と現在の2つの時間軸によって展開されていく、恋愛要素が濃い物語になっている。詩季織々の中でも一番のとりと言える物語だろう。

まず、第一印象としては、秒速5センチメートルを彷彿とされる内容だった。この詩季織々自体が、秒速5センチメートルに影響された監督によって制作された作品なので、ある程度のリスペクトもあるだろう。違うところといえば、ハッピーで終わったということだろう。秒速5センチメートルは、心が締め付けられるような鬱展開だったので、さすがにそこまでリスペクトは難しいと思ったのだろうと勝手ながらに思っている。

物語の内容自体は、ほんとうによくできている。限られた短い時間の中で感動をさせるというのは至難の技だ。そんな難しいところをうまくやって切り抜けた、上海恋の監督「リ・ハオリン監督」の長編も見てみたいと思った。

最後のシーン

一番最後のシーンは、一番最初のシーンとも繋がるが、何を表したかったのかというと、衣食住行のうちの「行」だろう。

日本では衣食住という表現になるが、中国では衣食住行という意味になるらしい。今までの衣食住に「行」が加わる。

泣いたり笑ったり、僕たちが織りなす歌はどんな未来を描くのだろう。立ち止まっていた昨日も、この胸に記して歩き出す。その足音は続いていく、きっと明日も。

引用:https://shikioriori.jp/

最後の言葉を引用させてもらったが、これが全てである。我々生活の中で、失敗して悩んだり、過去に後悔をしたり様々なでき事が起こる。でもそれは、自分の未来を紡ぐ大事な出来事であり、未来を形どっていくということを表している。

見てよかった

この感想記事を書くときに、一応いろいろな人の意見を見た。全体的に見ればまあまあという評価が多いと思うが、私の意見としてはもう一歩というだろう。

1時間強という短い時間の中で3つの物語を描くというのは難しい。秒速5センチメートルも3つの物語に別れていたが、内容自体は繋がっていたことから内容がわかりやすかったが、本作は少々難解かもしれない。

正直な私の意見として言わせていただくと、秒速5センチメートルに感銘を受けて、3つの物語に分けているとしたら中途半端だと思った。どうせなら、それぞれの物語を干渉させるなり、連続性をもたせるべきだと。

やっぱり、短い時間で見ている側を引き込もうとすると一つ一つの演出を取捨選択しなければならない。そして、内容をパンパンに詰め込む。そうすると伝えたいことがぼんやりしてしまったりする。

なので今度は、長編アニメーション映画を見てみたい。

まあ、結果的には見てよかったと思えるクオリティだ。美味しそうなビーフンを見て、お腹が空いて少々苛ついたが、3つすべての内容はしっかりできていると感じた。それでは、もう一度見てくるのでこのへんで終わりにしようと思う。

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